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OPENING GUIDE / 法令順守

風俗開業 完全ガイド
営業許可・届出・必要書類・法令を体系整理

これから風俗業を始める方に向けて、業種別の営業許可・届出から必要書類リスト立地・営業時間・年齢確認の法的要件2024-2026年の法改正まで、現行法令に基づいて整理したガイドです。 広告代理店として年間数百件の開業案件に伴走するFAPが、開業前に必ず押さえるべき法令順守のポイントを業種ごとにまとめました。

📅 公開: 2026.05.12 ⏱ READ 18 MIN 📚 法令: 風営法 / 食品衛生法 / 消防法 / 児童福祉法 他 🔒 法令順守ガイド
重要: 本ガイドは2026年5月時点の法令・運用に基づく一般的な解説です。個別の申請可否や立地要件は都道府県条例・所轄警察署の判断で異なります。実際の申請にあたっては行政書士・弁護士など専門家への確認を推奨します。

1. 風俗業の法的体系 — 風営法とは

日本の風俗業は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(風営法)を主たる根拠法として規制されています。 1948年に制定され、最新の改正は2023年(令和5年)。風営法は風俗業を「風俗営業」「性風俗関連特殊営業」の2系統に大別し、それぞれ異なる規制(許可 or 届出)を課しています。

図1: 風営法の体系図
風俗営業(1〜5号、許可制) と 性風俗関連特殊営業(店舗型・無店舗型・映像送信型・電話異性紹介、届出制) の関係
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 (風営法 / 1948年制定・2023年改正) 風俗営業 (1〜5号) 許可制 / 公安委員会 性風俗関連特殊営業 届出制 / 公安委員会 1号: キャバレー・料亭 2号: 待合・茶屋 3号: 社交飲食店 (キャバクラ・ホスト) 4号: ダンスホール * 5号: 麻雀・パチンコ・ゲームセンター * 実質運用なし 店舗型 (1〜6号) 1号: ソープランド 2号: ファッションヘルス・ピンサロ 3〜6号: ストリップ・個室ビデオ等 無店舗型 (1〜2号) 1号: デリヘル(派遣型) 2号: アダルトサイト等 映像送信型 ライブチャット等 電話異性紹介 店舗型・無店舗型 メンズエステ・リラクゼーション業は原則として風営法の対象外 (性的サービスがあると判断されれば「無届の店舗型性風俗特殊営業」として摘発)
出典: 警察庁「風営法の解説」 / 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

「許可制」と「届出制」の違い

風俗営業(1〜5号)は許可制で、公安委員会の事前審査を経て営業許可を取得しなければ営業できません。標準処理期間は55日。一方、性風俗関連特殊営業は届出制で、必要書類を揃えて届出を提出し、受理されれば営業可能です。 ただし届出制でも欠格事由(暴力団員等)があれば受理されません。また性風俗特殊営業は営業所の新設場所が法律上制限される(既存営業区域以外は実質不可)点が許可制と大きく異なります。

2. 業種別の許可・届出フローチャート

あなたが開業する業態が、風営法のどの分類に該当するかを判定するフローチャートです。

図2: あなたのビジネスは何号? 判定フローチャート
業態と営業形態から該当する許可/届出を判定
開業する業態は? 性的サービスを 提供する? YES 店舗で接客? 店舗型 → 派遣型 店舗型1号 ソープランド 店舗型2号 ヘルス・ピンサロ 無店舗型1号 デリヘル(派遣型) NO 接客で飲食を 提供する? YES → 風俗営業 風俗営業3号 キャバクラ・ホスト 風俗営業1号 キャバレー・料亭 飲食なし 健全リラク系 → 風営法対象外 (メンエス・リフレ・整体) ⚠️ メンエスは「健全運営」前提。性的サービスの提供が確認されれば即座に違法営業扱い。 サービス範囲を明確化し、施術内容・料金体系・スタッフ管理を厳格に運用する必要があります。
出典: 警察庁「風営法の解説」をもとにFAP作成
許可制

キャバクラ・ホスト・ガルバ

風俗営業3号(社交飲食店)。許可申請から営業開始まで約2〜3ヶ月。営業時間は0時または1時まで(都道府県により異なる)。

届出制

ソープランド

店舗型性風俗特殊営業1号。新規エリアでの新設は原則不可(既存営業区域のみ)。届出から10日後に営業開始可。

届出制

ファッションヘルス・ピンサロ

店舗型性風俗特殊営業2号。営業所所在地に厳格な立地要件あり(保全対象施設からの距離)。

届出制

デリヘル(派遣型)

無店舗型性風俗特殊営業1号。事務所は風営法上の店舗要件不要だが、営業区域の指定を受ける。

対象外

メンズエステ・リフレ

原則として風営法対象外。ただし性的サービスの提供は禁止。健全リラクゼーション業として運営。

届出制

ライブチャット運営

映像送信型性風俗特殊営業。サーバ所在地ではなく代表者居所地を管轄する公安委員会に届出。

3. 業種別 必要書類リスト

3-1. 風俗営業3号(キャバクラ・ホスト・ガルバ)

許可制で、所轄警察署経由で公安委員会に申請します。

📋 必須提出書類

関連する他法令の許可・届出
飲食提供を行うため、別途以下も必要です。
・ 飲食店営業許可(食品衛生法 → 保健所)
・ 防火対象物使用開始届出書(消防法 → 消防署)
・ 個人事業の開業届 or 法人設立届(税務署)
・ 深夜酒類提供飲食店営業開始届出書(0時以降に酒類を提供する場合)

3-2. 性風俗特殊営業 — 店舗型(ソープ・ヘルス・ピンサロ)

📋 必須提出書類

ソープランドの新設について
ソープランド(店舗型1号)は、現在新規エリアでの新設は実質不可です。既存の営業区域(東京・吉原、神奈川・川崎、兵庫・福原、滋賀・雄琴、福岡・中洲等)内の既存営業権の継承(M&A)での参入が事実上の唯一のルートとなっています。

3-3. 性風俗特殊営業 — 無店舗型(デリヘル)

📋 必須提出書類

3-4. メンズエステ(健全リラクゼーション業として)

メンエス・リフレを純粋なリラクゼーション業として運営する場合、風営法上の許可・届出は不要です。ただし以下の点に注意が必要です。

📋 推奨される届出・整備

注意: 摘発リスク
メンエス店舗で性的サービスの提供が確認された場合、警察により「無届の店舗型性風俗特殊営業」として摘発されます。経営者には2年以下の懲役または200万円以下の罰金、店舗の営業停止処分が下されます。サービス内容の境界線(マッサージの範囲、施術中の禁止事項、料金体系)を明確化し、セラピスト教育・店舗運用の徹底が不可欠です。

4. 立地要件 — 保全対象施設からの距離

風俗営業1〜5号と店舗型性風俗特殊営業は、「保全対象施設」からの距離要件が課されます。具体的距離は都道府県条例で定められ、概ね100〜200mの範囲。さらに用途地域(都市計画法)による制限もあります。

図3: 保全対象施設からの距離要件(東京都の例)
営業所中心からの距離を満たさない場合は許可・届出を受けられない
店舗 100m圏 200m圏 許可可能エリア 学校(小・中・高) 100m以内禁止 病院・診療所 100m以内禁止 児童福祉施設 100m以内禁止 図書館 200m以内 凡例 (東京都条例の例) 100m以内禁止 200m以内 業種により制限 注意 距離は都道府県条例で異なる。 用途地域による別途規制もあり。
出典: 東京都風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例 第6条

保全対象施設の具体例

区分具体例東京都条例の距離(風俗営業3号)
学校小・中・高・大学・専門学校100m
医療施設病院・診療所(歯科含む)100m(20床以上は70m〜)
児童福祉施設保育所・児童館・児童養護施設100m
図書館公立・私立図書館50m
公民館市民会館・コミュニティセンター50m

用途地域による規制

都市計画法による用途地域でも風俗営業の可否が決まります。住居系地域(第一種・第二種低層住居専用、第一種・第二種中高層住居専用、第一種住居)では風俗営業全般が不可。商業地域・近隣商業地域・準工業地域・工業地域では原則可能ですが、業種により例外があります。

5. 開業までのスケジュール

図4: 開業までの標準タイムライン
業種別の許可・届出処理期間と書類準備期間
0w 2w 4w 8w 10w 12w キャバクラ(3号) 物件・書類準備 許可審査(55日) 営業開始 ソープ(店舗型1号) 物件・営業権承継・書類準備 届出(10日) 営業開始 ヘルス(店舗型2号) 物件・書類準備 届出(10日) 営業開始 デリヘル(無店舗1号) 事務所・書類準備 届出(10日) 営業開始 メンエス(風営法外) 物件・税務届出 営業開始 準備期間 許可審査(55日) 届出受理(10日) 営業開始
標準処理期間は各都道府県警察の運用に基づく目安

6. 営業時間・年齢確認・従業者名簿

営業時間の制限

業種営業可能時間備考
風俗営業1〜3号(キャバクラ等)原則 6:00〜24:00 (一部地域 1:00)都道府県条例で延長許可エリアあり
風俗営業5号(パチンコ等)10:00〜23:00地域による調整あり
店舗型性風俗特殊営業(ソープ・ヘルス等)客の入場は0:00まで(在店は別途)新規客の入場禁止時刻
無店舗型性風俗特殊営業(デリヘル)地域指定区域では深夜・早朝制限あり都道府県・市区町村で差
深夜酒類提供飲食店0:00以降の酒類提供時に届出必要食品衛生法 + 風営法

従業者名簿の作成義務

すべての風俗営業・性風俗特殊営業の事業者は、従業者名簿の備付け義務があります(風営法施行規則 第29条)。 名簿には以下を記載し、本人確認書類の写しを添付して営業所内に3年間保管する必要があります。

18歳未満雇用の絶対禁止
風俗営業・性風俗特殊営業では、年齢にかかわらず18歳未満の接客従業者の雇用は絶対禁止(風営法第22条・第31条の8)。違反した経営者には2年以下の懲役または100万円以下の罰金、本人確認義務違反でも別途罰則があります。 児童福祉法・労働基準法とも併せて運用されるため、年齢確認は本人確認書類の原本提示+写しの保管を必須運用としてください。

2024年改正: 本人確認の厳格化

2024年の風営法施行規則改正で、性風俗関連特殊営業の従業者名簿への記載項目に本籍記載住民票の徴求が推奨されるようになりました。また、マイナンバーカードによる本人確認も推奨方式として例示されています。

7. 違反と罰則 — 営業停止・取消の事例

違反内容罰則処分例
無許可営業(風俗営業)2年以下の懲役/200万円以下の罰金営業所閉鎖命令
無届営業(性風俗特殊営業)6月以下の懲役/100万円以下の罰金営業停止命令
18歳未満雇用2年以下の懲役/100万円以下の罰金許可取消(原則)
営業時間外営業6月以下の懲役/100万円以下の罰金営業停止 5〜15日
名簿未作成・虚偽記載50万円以下の罰金指導 → 営業停止
立入検査拒否50万円以下の罰金許可取消事由
暴力団員の関与許可取消・告発5年間の許可制限
無届の店舗型性風俗特殊営業(メンエスでの違法サービス)6月以下の懲役/100万円以下の罰金営業所閉鎖
許可取消後の再申請制限
許可・届出取消処分を受けた場合、その日から5年間は同じ業種の再申請ができません(風営法第4条第1項第4号)。法人の場合は取消時点の役員全員がこの制限対象となり、別法人での再開業も同条項で阻止されます。

8. 2024-2026年の主要法改正

2024年改正: 暴力団排除条項の強化

2024年(令和6年)の風営法改正で、暴力団員等の関与排除規定が強化されました。届出・許可申請時の誓約書に加え、許可後・届出後の役員変更時にも届出が義務化。違反は許可取消事由となります。

2024年改正: 本人確認の厳格化

従業者名簿への記載に関し、本籍記載住民票の徴求が推奨方式として明示されました。マイナンバーカードによる確認方式も例示。違反した場合、本人確認義務違反として罰則対象となります。

2022年施行: AV出演被害防止・救済法

2022年(令和4年)に施行された「性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するためにAV出演による被害の防止・救済を図るための出演契約等に関する特則等に関する法律」は、AV制作・配信・出演に関わる事業者に契約・撮影・公表のクーリング期間など厳格な手続義務を課しました。風俗営業者がAV関連事業にも従事する場合、別途遵守が必要です。

2023年: 性風俗特殊営業における青少年保護の拡充

都道府県の青少年保護育成条例改正と連動し、性風俗特殊営業の広告物の規制が強化。学校周辺・通学路でのチラシ配布禁止、屋外広告物の文言制限などが地域ごとに厳格化されています。

9. 開業後の継続義務

10. よくある質問

Q1: メンエスの開業に許可は必要ですか?

A: リラクゼーション業として運営する場合、風営法上の許可・届出は原則不要です。ただし性的サービスを提供する実態がある場合は「無届の店舗型性風俗特殊営業」として摘発リスクがあります。健全な施術内容とサービス範囲の明確化が必須です。

Q2: デリヘルの開業に必要な届出は何ですか?

A: 風営法上の「無店舗型性風俗特殊営業」(1号)に該当し、所轄警察署経由で公安委員会への届出が必要です。営業開始の10日前までに届出書を提出し、受理証明を保管します。許可制ではなく届出制ですが、欠格事由がある場合は受理されません。

Q3: ソープランドの開業はどこに申請しますか?

A: 「店舗型性風俗特殊営業」(1号)として、営業所所在地を管轄する警察署経由で公安委員会に届出を行います。新規エリアでの新設は原則として既存営業区域(吉原・川崎・福原など)以外では認められません。

Q4: キャバクラを開業する場合の許可は?

A: 風俗営業3号(社交飲食店)として営業許可が必要です。許可制(届出制ではない)で、申請から許可まで通常55日程度かかります。営業所の立地が保全対象施設(学校・病院等)から都道府県条例で定められた距離以上離れていることが要件です。

Q5: 18歳未満を従業員として雇用できますか?

A: 絶対に禁止です。風営法・児童福祉法等により、18歳未満を風俗営業・性風俗特殊営業の接客業務に従事させることは禁止されています。違反すると経営者は最大2年以下の懲役または100万円以下の罰金、本人確認義務違反でも罰則対象となります。本人確認書類は写しを保管する義務があります。

Q6: 風俗営業の許可申請から営業開始までどれくらいかかりますか?

A: 業種により異なります。風俗営業1〜5号(キャバクラ・パチンコ等)は許可制で標準処理期間55日、性風俗特殊営業(デリヘル・ソープ等)は届出制で受理から10日後に営業開始可能です。書類準備期間を含めると、実務的にはキャバクラで2〜3ヶ月、デリヘルで3〜4週間が目安です。

Q7: 既存店舗の名義変更だけで開業できますか?

A: 風営法上の許可・届出は個人または法人ごとに発行されるため、名義変更だけでは継承できず、新たに許可申請・届出が必要です。ただし営業権の譲渡(M&A)による事実上の継承は実務上行われており、行政書士のサポートで適切な手続を行うことが推奨されます。

Q8: 一つの事務所で複数業種を運営できますか?

A: 業種の組み合わせによります。風俗営業3号(キャバクラ)と性風俗特殊営業(ヘルス等)は営業所が物理的に分離している必要があります。同一建物の別フロアであれば原則可能ですが、申請段階で警察から指導を受けるケースも多いため、事前相談が推奨されます。

Takeaways — 開業前に絶対に押さえる5つ

  1. 業種の判定が最初の分岐点。風営法1〜5号(許可)/性風俗特殊営業4区分(届出)/風営法外(メンエス等)で、必要な手続が根本的に異なる。
  2. 立地は条例で決まる。保全対象施設(学校・病院等)からの距離は都道府県条例で異なり、用途地域による別途規制もある。物件選定前に確認必須。
  3. 書類は本籍記載住民票が必須。住民票は本籍を載せ、身分証明書(本籍地市区町村)も忘れずに。
  4. 18歳未満雇用は絶対禁止。本人確認書類の原本確認+写し保管を運用ルール化、従業者名簿の備付けは3年間。
  5. 取消処分は5年間の再申請制限。役員・管理者の信頼性は許可・届出の前提条件。

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免責事項
本ガイドは2026年5月時点の法令・運用に基づく一般的な解説です。具体的な申請手続・要件は所轄警察署および都道府県条例により異なります。実際の許可申請・届出にあたっては、行政書士・弁護士など専門家への確認を推奨します。本ページの記載内容により生じた損害について、FAPは責任を負いかねます。